障害年金をもらうための条件
障害年金を貰うためには、いくつかの要件を満たさなければなりません。
そのうち最も重要な3要件について説明します。
初診日要件
障害年金の申請において、「初診日」とは、国民年金、厚生年金、共済年金のいずれかに加入中に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師や歯科医師の診察を受けた日を指します。
この初診日は、障害年金の受給条件や金額を決定する上で非常に重要です。健康診断で異常が指摘された日や誤診された日が初診日とされる場合もあるため、注意が必要です。
また、未成年時からの病気や傷害、もしくは国民年金に加入したことのある人で60歳から64歳の間に初診日がある場合は、障害基礎年金が適用されることがあります。
平成27年10月1日以降、初診日の確認手続きが柔軟化され、これまで初診日不明により却下されたケースでも、新基準に基づき再審査が行われることがあります。
保険料納付の要件
障害年金を受給するためには、保険料納付要件をクリアすることが必要不可欠です。この要件を満たさない場合、その病気やケガによる障害年金を受け取ることはできません。初診日の前日までの時点で、以下の条件のいずれかに該当する期間が、初診日までの月数の3分の2以上である必要があります。
- 保険料を納付した期間(会社員や公務員の配偶者としての期間を含む)
- 保険料免除が認められた期間
簡単に言うと、保険料を違法に滞納した期間が全体の3分の1未満であれば問題ありません。さらに、令和8年4月1日前に初診日がある場合は、初診日の前日から過去1年間に保険料の滞納がなければ受給資格を得られます。
20歳前に発生した傷病によって障害の状態になった場合には、この納付要件は適用されません。ただし、特に学生時代の滞納はよくあるため、事故や病気に備え、忘れずに保険料免除の申請を行うようにしましょう。
障害認定日の要件
障害年金の受給には、障害認定日において一定の障害状態であることが条件です。
障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月経過した日、またはそれ以前に症状が固定し、治療の効果が望めない状態になった日を指します。
以下の場合は、1年6ヶ月を待たず障害認定日として扱われます。
- 咽頭全摘出:摘出日
- 人工骨頭・人工関節:置換日
- 手足の切断:切断された日
- 脳卒中による肢体障害:初診から6ヶ月以上経過し、医師が症状固定と診断した日
- 在宅酸素療法:常時使用を開始した日
- 心臓ペースメーカーや人工弁:装着または挿入日
- 心臓移植・人工心臓:移植または装着した日
- 人工透析:開始3ヶ月後
- 人工肛門・尿路変更:手術6ヶ月後(平成27年法改正適用)
- 新膀胱造設:造設日
- 神経系の重症障害:初診から6ヶ月経過後、日常生活に介助が必要と医師が判断した日
- 遷延性植物状態:障害発生から3ヶ月以上経過し、回復見込みがないと診断された日
障害認定日で一定の障害と認定されると、翌日から年金が支給されます(障害認定日請求)。最大5年分遡及可能です。
一方、65歳の誕生日の前々日までに状態が悪化した場合は、事後重症請求が可能ですが、支給開始は請求翌月からとなり、過去に遡ることはできません。

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